父を看取りました

2026年06月26日

院長より

父を看取りました

~家族として、医師として、あらためて感じた在宅医療のこと~


私事で恐縮ですが、令和8年4月10日未明、私の父が静かに息を引き取りました。

父は膵がんの終末期でした。病気が進むにつれて、食事が少なくなり、眠っている時間が増え、身体の力も少しずつ落ちていきました。

それでも最期まで、できるだけ苦痛を少なく、家族の気配を感じながら穏やかに過ごすことができました。

私はこれまで、在宅医として多くの患者さんの看取りに関わってきました。しかし今回は、医師である前に、ひとりの家族として父の最期の時間に向き合いました。

家族としてそばにいながら、医師としても関わる時間は、決して簡単なものではありませんでした。

医師として冷静に判断しようとする自分と、家族として揺れる自分が同時にありました。

それでも、父が少しでも穏やかに過ごせるように、家族と一緒に一つひとつ考えながら支えていきました。

終末期には、食べられなくなる、眠っている時間が増える、呼吸の様子が変わる、反応が少なくなるなど、ご家族が不安になる変化が多く起こります。

「苦しくないだろうか」
「このまま見守っていてよいのだろうか」
「何かしてあげられることはないだろうか」

そうした不安に対して、病状の変化を医学的に見極め、必要な薬やケアを整えながら、慌てずに支えていくこと。それが在宅医療の大切な役割の一つだと、父の看取りを通じてあらためて感じました。

在宅医療は、単に訪問して診察を行う医療ではありません。

  • ご本人がどのように過ごしたいのか
  • ご家族が何を心配し、何を大切にしたいのか

その思いを共有しながら、病状に合わせて支えていく医療だと思っています。

父の看取りを通じて、苦痛をやわらげること、本人らしさを守ること、家族が後悔を少なく過ごせるようにすること、その一つひとつの意味を、家族の立場からも深く感じました。

いずみ小林クリニックでは、がん終末期の方、認知症や慢性疾患を抱える方、心や身体のつらさを抱えながら療養される方に対して、これからもご本人とご家族の思いに寄り添う医療を大切にしてまいります。

最後に、父の療養を支えてくださった当院スタッフ、連携事業所の皆さま、そして家族を温かく見守ってくださったすべての方々に、心より感謝申し上げます。

いずみ小林クリニック
院長 小林 晃

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